エメラルドの歴史は長く、古来より人々に愛され、珍重され続けていました。
紀元前4000年頃には、バビロニア帝国首都バビロンで、(ヴィーナスに捧げる宝石)として、扱われていました。また、古代エジプト時代の絶世の美女であるエジプト女王クレオパトラも、エメラルドの魅力に取り付かれた一人です。エメラルドを愛してやまない女王クレオパトラは、自ら、エメラルドの鉱山を所有して、宝飾用や、砕いて粉末状にして、お化粧用のパウダーとして使用したり、毎日エメラルドに包まれるように、生活を送っていたといわれています。その後、ナイル河右岸で、古代の採掘跡が発見され、かつて、エメラルドが採掘されていたことが判明しました。まさしく、クレオパトラ鉱山の伝説が実在していたのです。
また、16世紀スペイン軍によるエメラルドの略奪が歴史に大きく関わっています。それ以前は、マヤ文明や、アステカ文明を築きあげた、インディオたちが、聖なる石として、エメラルドを崇めていました。16世紀中ごろ、スペイン人の上陸で、交易が始まり、コロンビア産エメラルドは、南米の広い地域に渡っていきました。それから、まもなくヨーロッパへと渡っていったのです。スペイン軍は、アステカ征服を目論み、同時にエメラルドを強奪したのです。こうして、エメラルドの鉱山をめぐる戦いが繰り返され、18世紀にはスペインが市場を独占して、至福の時を迎えた時代でもあります。19世紀に入るとコロンビアの独立闘争で歴史的勝利を治め、再びムゾー鉱山を手に入れますが分離独立運動が起こるなど、内紛が絶えなかったのです。現在も、鉱山をめぐる利権争いは、複雑に絡み合い解決しなくてはいけない問題が山積みしています。
美しく人々を魅了し続けるエメラルド。この魅力が醸し出す様々な歴史に私たちは何を見つけるこができるのでしょう。そして、永遠に人々の心を捉えてやむことはないのです。 |